健康診断のこの項目の意味って?結果の見方49項目完全解説!

春や秋は健康診断シーズンですね。人間ドッグを受診される方も多いかもしれません。健康診断の結果、ちゃんと見ていますか?「全部Aだからいいや」と流し見して終わりにしていませんか?自分が受けた健康診断の項目にはどんな意味があるのか、検査で何を調べているのかを知っておくと、今後ますますの健康に役立てることが出来ますよ。受診して終わり、ではなくせっかくの機会を無駄にしないようにしましょう!

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 身体計測

身長・体重

これは小学生からおなじみですね。最近は身長と体重を一度に測れる機械もあるんですよ。

体脂肪率

体に微弱な電流を流して電気抵抗を測定し、そこから体脂肪率を計算する方法が一般的です。測定する時の体内の水分量など、条件によって値がかなりばらつきます。家庭用体重計でも手軽に測れるものが多くありますよね。毎日同じ時間、同じ条件で測り続けるのがおすすめです。体脂肪率の適正値は成人男性で15~20%、成人女性で20~25%程度だとされていますが、年齢と共に変化するものです。女性は妊娠・出産に対応できるよう体脂肪を多く蓄えるため、男性よりも値が高くなっています。

BMI

BMIBody Mass Index(肥満指数)の略で、肥満の判定に用いられます。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷(m)の計算式で求められ、男女共に22の時に高血圧、高脂血症、肝障害、糖尿病などの有病率が最も低くなるというデータがあります。18.5以下はやせすぎ、25以上で肥満とされます。

腹囲

腹囲はおへそ周りの長さで、メタボリックシンドロームの診断項目のうち1つです。男性85㎝以下、女性90㎝以下が正常範囲内とされています。

血圧

血圧は血液が血管を流れる際の圧力のことです。最高血圧・最低血圧の2種類で評価されます。

最高血圧とは心臓から血液を送り出されている時の圧力、最低血圧とは心臓に血液が戻ってくる時の圧力です。基準値は140/90mmHg未満(最高/最低)で、最高値と最低値の幅は40前後が理想とされています。血圧が高くなると動脈硬化、心臓疾患、糖尿病等のリスクが増すとされています。高血圧の改善のためには低カロリー、低コレステロール、減塩の食生活を心がけること、禁煙、アルコール摂取を控えめにすることが大切です。

目の検査

視力

視力検査では、特に指定がなければコンタクトレンズやメガネの着用も可能です。この場合は矯正視力となり、検査の時に事前に申し出る必要があります。検査の際は「ランドルト環(C字型に切れ目のついた輪)」またはE字型の切れ目の方向を当てることが一般的です。基準値は1.0以上で、1.0以下は近視とされます。急激な視力の低下は目の病気が疑われるため、より詳しい検査が必要になります。

眼圧

「目の固さ」を調べます。目にプシュっと空気が飛んでくる検査で、コンタクトレンズを作った方はその時に経験していることでしょう。眼の中には血液のかわりに栄養を運ぶ房水とよばれる液体が流れています。眼の形状は、この房水の圧力によって保たれていて、この圧力が眼圧です。21mmHg未満が正常値とされています。眼圧が高いと緑内障になりやすくなります。

眼底検査

眼底検査は暗室で瞳孔に光をあて、眼の奥の血管、網膜、視神経を直接観察します。カメラで写真を撮り、医師が判定する場合が多いです。動脈と静脈の血管状態で眼の状態や動脈硬化等を判定します。中でも緑内障の発見には非常に効果的です。

聴力検査

聴力検査ではヘッドホンを使って右・左それぞれの耳で1000Hz4000Hz2種類の音を聞きます。検査は外の音が聞こえない部屋で行われ、発生する大小の音を聴き取って難聴かどうか判定します。1000Hz4000Hz2種類の音域を検査することによって低音と高音の両方が聞こえるかを調べることができます。基準値は1000Hzで30db以下、4000Hzで40db以下です。

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レントゲンを使った検査

胸部X線

胸部X線撮影はいわゆるレントゲン撮影です。肺と心臓を中心に横隔膜や消化管の一部などを撮影し、専門医が撮影された写真を読影して結果を判定します。肺結核、肺がん、心肥大、動脈瘤などがある場合には有効とされています。

胃部X線

胃部X線撮影は、基本的にはバリウムを飲んで行う胃のレントゲン撮影です。胃の形や隆起物を調べ、胃潰瘍やポリープ等の有無を調べることができます。

肺の検査

肺機能検査では、口呼吸を行って肺を出入りする空気の量や速度を測定し、肺の機能や呼吸器疾患の有無を調べます。

肺活量

最もよく耳にする肺活量というものは、肺に入る空気の容量です。限界まで息を吸って全て吐きだしたときの息の量を測定します。

努力性肺活量

努力性肺活量は胸いっぱいに息を吸い込んでから最大の速さで一気に吐き出したときの空気の量です。

%肺活量

%肺活量とは性別、年齢、身長から予測された予測肺活量に対する、実際の努力性肺活量の割合です。予測肺活量の80%以上が基準値とされています。

1秒率・1秒量

1秒量は努力性肺活量のうち、最初の1秒間に吐きだした息の量です。1秒率とは1秒量が努力性肺活量に占める割合です。1秒率70%以上が基準値とされています。

これらの項目を組み合わせて、肺年齢や呼吸器疾患の有無とその重症度を調べます。%肺活量が低い場合は肺が固くなったり呼吸筋が弱くなったりして肺が十分に拡がらないため、肺の空気を入れる容量が少なくなっている可能性があります。1秒率が低い場合は、気道が狭くなって息が吐き出しにくくなっている可能性があります。COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの発見に効果的です。

尿検査

尿検査では尿中の糖やタンパクの量、比重などを調べます。主に腎臓の機能を評価したり、体全体の機能を調べるために行います。検査項目には数種類あり、主なものは尿タンパク、尿糖、尿潜血、尿ウロビリノーゲン、ビリルビン、pH、尿中ケトン体、尿沈査、尿比重です。基準値はそれぞれ

尿タンパク:(-)、(+-)…(+)の場合、腎臓に炎症を起こしている可能性

尿糖:(-)、(+-)…(+)の場合、血糖値の上昇

尿潜血:(-)…(+)の場合、腎臓、膀胱、尿道に異常がある可能性

尿ウロビリノーゲン:(+)、(+-)…(-)の場合、肝機能障害の可能性

尿ビリルビン:(-)…(+)の場合、肝機能障害の可能性

pH:pH4.8~7.5…これより酸性の場合、アルカリ性の場合

尿沈査:(赤血球) 1視野に1個~3個以内

    (白血球) 1視野に1~3個以内、

    (上皮細胞) 1視野に1~3個以内

尿比重:1.010~1.025…これより小さいと尿崩症、腎不全、大きいと糖尿病、脱水などの可能性                                                                                        

便の検査

便検査は主に便潜血の反応を見ていきます。消化器系の病気、特に急性大腸炎、慢性大腸炎、大腸ポリープ、大腸がんなどの大腸疾患の早期発見に有効な検査です。2日間便を採取して行います。食生活の変化によって日本人の大腸がんの患者数は大きく増えています。
潜血反応が陽性の場合はバリウム検査の結果も考慮しつつ、精密検査として大腸内視鏡検査を勧められます。

 心電図

心電図では、心臓の働きを調べます。心臓の筋肉が収縮して血液を送り出す時に発生する微細な電流を波形として記録したものが心電図です。基本的にベッドに仰向けに寝て安静にした状態で、胸部・両手首・足首に電極をつけて12誘導で検査します。
心臓の働きに何か問題があると心電図の波形に変化が生じるので、それを読み取って診断に役立てます。波形により心拍の異常、心筋壁の厚さ、心筋の異常などがわかります。
発見可能な心疾患としては狭心症、心筋梗塞、不整脈、心臓肥大、心膜炎、冠動脈不全、高血圧、動脈硬化症などがあります。
心拍数が100回/分以上の洞性頻脈ではバセドウ病、貧血、心不全などが指摘されます。逆に50回/分以下の洞性徐脈はスポーツ選手などに見られる状態です。いわゆる「スポーツ心臓」です。スポーツをしていない場合は甲状腺機能の低下や薬の副作用の可能性があります。
また特徴的な波形を示すため、冠静脈洞調律、上室性期外収縮、心室性期外収縮、完全右脚ブロック、完全左脚ブロック、左室肥大、T派平低、T派陰性、ST降下、WPW症候群、房室ブロック、心房細動なども心電図でわかります。

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画像で診断する検査

超音波検査

超音波(エコー)を利用して身体の色々な場所を検査できます。健康診断や人間ドッグでは腹部エコー、頸動脈エコー、乳腺エコーを受ける機会がほとんどです。放射線も使わず痛みもないため負担が少なく、リアルタイムで臓器を検査することが出来、安全でたくさんの情報が得られる診断能力の高い検査です。

腹部エコー

基本的に肝臓・腎臓・膵臓・脾臓・胆嚢の5臓器を超音波で検査します。が、超音波の性質上、肺や胃、腸など空気を含む臓器は画像として映りにくく検査できません。また肥満の人は脂肪が検査の邪魔をして良い画像が得られない場合があります。
エコー検査では臓器を目視できるので、何か異常があったときの早期発見につながります。腫瘍、ポリープ、炎症、結石などを発見出来、大きさなど調べることが出来ます。発見出来る疾患の一部を挙げると脂肪肝、肝嚢胞、肝硬変、肝石灰化、胆のうポリープ、胆石、胆管拡張、胆嚢腺筋腫症、胆管がん、膵炎、膵がん、腎嚢胞、腎結石、水腎症、腎がん、大動脈瘤など、多くの情報を得られる検査です。肝臓や膵臓など自覚症状が乏しい臓器の疾患も指摘することが可能です。もしも何か所見があった場合には各専門の診療科を受診して精密検査を受けることになります。

頸動脈エコー

頚動脈エコーでは、頸動脈の内側にプラークと呼ばれる血栓がないかどうか、狭窄がないかどうかを調べます。主に動脈硬化の度合いを調べることが出来ます。高血圧、糖尿病、高脂血症がある場合は動脈硬化のリスクが高くなると言われています。

CT

CT検査ではX線を体のまわりを回転させながら照射し、そこから得られた情報を処理して断層画像にし、体内の様子を詳しく調べる検査です。X線による放射被ばくの危険があるため妊娠している可能性のある人は検査できません。体の全ての部分を撮影することができるので、脳梗塞や脳出血など頭蓋内の異常や病気をはじめとして全身の精密検査として行われています。超音波検査や血管造影検査など、画像検査と組み合わせて病気が診断されます。

MRI

MRI検査は体内の磁気に対する共鳴作用を利用して体のいろいろな部分を縦、横、斜めなど様々は角度から画像として処理し体内の様子を調べる検査で、血管の状態も観察することができます。また、X線では撮影出来ない骨に囲まれた脳や脊髄なども観察できます。CTとは異なり放射線を用いないので被ばくの心配がなく、何度でもくり返し受けることができます。強力な磁気を用いるので心臓ペースメーカーや人工弁、体内に金属製の人工骨やクリップを装着している人は事前に申し出ます。検査が可能かどうかを判定しなければなりません。

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乳腺の検査

乳腺エコーとマンモグラフィでは、特に早期乳がんの発見に非常に効果的です。乳腺エコーかマンモグラフィと乳房の触診を組み合わせることで乳がんの早期発見が期待できます。

乳腺エコー

乳腺エコーは腹部エコーと同じように超音波を使って乳房内部を検査します。痛みはなく、体への負担はほとんどありません。数mmの小さな腫瘤を発見したり、しこりの性状が詳しくわかる検査です。細かい石灰化は見えません。乳腺が豊富な20~30代の女性はこの検査が特に有用とされます。

マンモグラフィ

マンモグラフィは乳腺専用のレントゲン検査です。乳房を片側ずつ圧迫し、平らにして撮影します。上下左右の四方向で撮影可能です。圧迫する際には痛みを感じることがあります。腫瘤や石灰化、乳腺のゆがみなどを確認します。個人差がありますが、年齢が若いとマンモグラフィでは正常乳腺自体が白く撮影され、腫瘤が隠れてしまうことがあるので、40代以上の人に特に勧められる検査です。X線を使用するレントゲン検査であり、妊娠中の方は基本的に受けられません。

乳房診

専門医が乳房全体を目で見て、または手で触れて乳房の形、皮膚、乳頭などに異常がないか、しこりができていないかを確かめます。自分では見つけられないような小さなしこりが発見されることがあります。生理前には乳腺が腫れことがあるため、腫れが落ち着く生理後1週間頃に受診出来ればベストです。

婦人科の検査

子宮の入り口付近の子宮頸部の粘膜面に発生するがんが子宮頸がんで、性交渉で感染するヒトパピローマウイルス(HPV)が原因で起こることがわかっています。

子宮頸がんの検査

子宮頸がん検診では子宮頸部の粘膜細胞をこすり取りって顕微鏡で調べます。早期発見のために有効な検査です。現在は細胞診のほかHPV検査も行われるようになりました。これは自分がどの程度子宮頸がんにかかるリスクがあるかを調べる検査で、ハイリスクタイプのHPVウイルスを持っているかがわかります。

子宮体がんの検査

子宮体がんは子宮の内側を覆う内膜から発生するがんで、40代から増えてきます。子宮体がん検診は細胞診と経腟超音波検査を組み合わせて行うのが有効です。子宮体がんと子宮頸がんは発生する場所が違うので、子宮頸がん検診では子宮体がんの異常を見つけることはできません。

婦人科エコー

経腹・経腟による超音波検査では腹部や乳腺のエコーと同じくゼリーを用いて検査します。子宮や卵巣の位置、大きさ、子宮筋腫や子宮内膜異常、卵巣腫瘍の有無やその種類、妊娠の有無、子宮の周りにたまった腹水や血液の有無がわかります。

血液検査

肝臓の機能

肝臓は「沈黙の臓器」とも言われ、知らないうちに病気が進行していくこともあります。肝臓の異常をいち早く発見するのに役立つのが血液による肝機能検査です。血清にはブドウ糖、タンパク、脂質や色々酵素などの生命活動に重要な物質が多く含まれています。肝臓に特化した物質を調べることにより、肝機能の推定に役立ちます。

AST(GOT)ALT(GOP)

AST(GOT)ALT(GOP)は肝細胞の中にある酵素で、生体に必要なアミノ酸をつくるのに重要です。基準値はAST(GOT) 1040U/lALT(GPT) 545U/lです。肝細胞が壊れると血液中にもれ出て高値になり、2つの数値から肝細胞の障害の程度を知ることができます。飲酒や運動後、肥満、薬の服用などで一時的に上がることもあります。ASTALT500U以上の場合は、急性肝炎や劇症肝炎などが疑われます。両方の値が100~500U以上は、アルコール性肝障害などが疑われます。両方の値が50~100U以下は、脂肪肝、アルコール性肝障害、非活動型の慢性肝炎、肝がんなどが疑われます。

γ-GTP

γ-GTPはタンパクを分解する酵素で、基準値は 16~73U/lです。肝障害や胆汁のうっ滞によって上昇します。γ-GTPはアルコール摂取に反応して高値になります。日常的に飲酒をする人でγ-GTPが高値の場合は、将来はアルコールによる肝障害を起こす可能性があるので注意しなければいけません。

ビリルビン

赤血球のヘモグロビンが寿命を終えるとビリルビンとなります。総ビリルビンの基準値は 0.2~1.0mg/lです。肝障害があったり胆管の狭窄や閉塞によって胆汁がうっ滞すると

血中のビリルビン濃度が上がり、2.0mg/lになると皮膚や白目が黄色くなる黄疸と呼ばれる症状が出ます。総ビリルビン量が高値の場合は、急性肝炎、肝硬変、アルコール性肝炎など肝臓病や、胆石、胆嚢炎、胆管がんなど胆道の病気が疑われます。

コリンエステラーゼ(ChE)

コリンエステラーゼ(ChE)は肝臓でつくられる酵素の一つで、肝機能が低下すると産生量が低下します。これを測定することによってタンパク質の合成に関わる肝臓機能を調べることができます。基準値はブチリルチオコリン法と呼ばれる測定法で3500~8000U/lで、ふつう女性は男性より低値です。低値で疑われる病気は肝炎、肝硬変などの重い肝臓病です。栄養状態が悪いために低値になることもあります。 コリンエステラーゼが肝臓では盛んに作られても排泄されないために血中濃度が上昇するため、栄養過剰が原因で起こる脂肪肝では高値になります。

腎臓の機能

腎臓は血液中の老廃物や不要物をろ過し、余分な水分と共に尿として排出する器官です。尿中の物質の量を調べることで腎臓の働きを評価することが出来ます。

クレアチニン

クレアチニンは、筋肉中の物質からできる老廃物で、腎臓でろ過された後尿中に排出されます。基準値は男性0.65~1.09mg/dl、女性0.46~0.82mg/dlで主に腎機能をみる指標となります。クレアチニン量は筋肉や運動量と関係しているといわれ、一般に女性より男性のほうが高値です。筋肉量が落ちてくるとクレアチニンの量も減少します。血中クレアチニン濃度は腎機能に障害があると上昇します。高値になるときは、急性腎炎、慢性腎炎、腎不全やなどの尿路閉塞疾患、心不全などの病気が疑われます。低値の場合は、尿崩症、筋ジストロフィーなどの病気が疑われます。

尿素窒素

尿素窒素はタンパク質が代謝された後の物質で、腎臓からろ過されて尿中に排出されます。
基準値は8.0~20.0mg/lで、腎不全により腎機能が衰えると上昇します。脱水やむくみ、尿路結石や腫瘍などの閉塞性尿路疾患があると高値になります。尿素窒素は、食事やむくみなどの生理的変動の影響を受けるためにクレアチニンや尿検査などの他の検査結果とあわせて総合的に判断します。

脂質の検査

血液中の脂質にはいくつかの種類があり、それらの総称を総コレステロールといいます。
血液中の脂質であるコレステロール値や中性脂肪値の検査は脂質異常症の発見に役立ちます。脂質異常症は動脈硬化の原因となり、心臓病や脳卒中などの重大な病気を引き起こします。自覚症状がないので健康診断の血液検査は非常に有効です。健康診断では主に4種類のコレステロール値を調べます。

総コレステロール(TCT-Cho)

基準値は140~219mg/dlです。総コレステロール値が高値の場合、動脈硬化、糖尿病、甲状腺機能低下症などが疑われます。低値の場合には、肝機能障害、甲状腺機能亢進症、栄養障害などが疑われます。コレステロールは女性ホルモンと関係があり、閉経後の女性は総コレステロール値が高くなる傾向にあります。

中性脂肪(TG、トリグリセライド)

基準値は50~149 mg/dlです。中性脂肪は主にエネルギー源としての役割を持ち、エネルギーとして使われなかったものが蓄積します。食べ過ぎ・飲みすぎが中性脂肪上昇の最も多い原因と考えられていて、血中の値が高くなります。中性脂肪が高値の状態が続くと動脈硬化の発症・進行が速まります。

コレステロールは、血中ではリポたんぱくに包まれた状態になっています。このリポたんぱくには比重によっていくつかの種類があり、低比重のものをLDLコレステロール、高比重のものをHDLコレステロールといいます。

HDLコレステロール(HDLC)

基準値は男性40~86mg/dl、女性40~96mg/dlとなっています。HDLコレステロールは善玉コレステロールとも呼ばれ、抹消組織の余分なコレステロールを回収して肝臓に戻して血管壁へのコレステロールの沈着を抑えます。一般的にHDLコレステロール値の高い人は、心筋梗塞や脳梗塞など動脈硬化による疾患を発症しにくい傾向があります。HDLコレステロールが低下する原因としては肥満、運動不足、糖尿病、喫煙などがあげられます。運動、食事、減量、禁煙などによる生活習慣の改善が大切です。

LDLコレステロール(LDLC)

基準値は60~139mg/dlです。LDLは、肝臓から体の末梢にコレステロールを運びます。たくさん運ぶとコレステロールが血管にたまって動脈硬化を起こすので「悪玉コレステロール」と呼ばれているのです。

LDLコレステロール値が高いほど、動脈硬化が進行しやすいと言われています。高脂血症ではLDLコレステロールが高値になります。そのほか糖尿病、甲状腺機能低下症、動脈硬化、ネフローゼ症候群などでも高値になります。

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電解質

電解質とは水に溶けて電気を通すミネラルのことです。体内の水分量やpHを一定に保ち、心臓・筋肉の動きや神経の伝達やなどに不可欠です。それぞれの電解質は体内でバランスを取りながら、生命維持の重要な役割を担っています。血液検査では血中のイオン濃度を測定して体内のバランス異常を調べています。血中の電解質濃度に変化が生じた場合、腎機能やホルモンの働きに異常が発生している可能性があります。

ナトリウム(Na)

基準値は135~145mEq/lです。体内の水分量を調節する重要な働きがあります。円分を取りすぎると喉が渇くのはこの働きによります。高値になるとむくみや高血圧の原因になります。原因としては嘔吐、下痢などによる脱水症、糖尿病、クッシング症候群などの病気が考えられます。 低値の場合は、腎不全、心不全、ネフローゼ症候群、甲状腺機能低下症などが疑われます。

クロール(Cl)

基準値は98~108 mEq/lです。大部分はナトリウムと共に存在していて、体内の水分量の調節やpHの調節をしています。腎不全、脱水症や過換気症候群などで高値になります。低値の場合は嘔吐や下痢、肺気腫、腎障害などの病気が疑われます。

カリウム(K)

基準値は3.5~5.0 mEq/lです。神経や筋肉の働きを調節しています。高値の場合は腎不全、糖尿病、アジソン病などが考えられます。低値の場合は嘔吐、下痢、利尿薬の使用、摂食障害などが考えられます。

カルシウム(Ca)

基準値は8.2~10.0 mEq/lで骨や歯の形成、神経刺激の伝達、血液の凝固などの働きをしています。体内のカルシウムの99%は骨や歯に蓄えられており、その残りが細胞内や血液中に存在しています。カルシウム不足で血液中のカルシウムの濃度が低下すると、必要に応じて骨から血液中に移動して濃度を維持します。高値の場合は骨代謝の異常、副甲状腺機能亢進症が疑われます。 低値の場合は甲状腺機能亢進症、悪性腫瘍、サルコイドーシスなどの内分泌異常が疑われます。

タンパク質

血液中には100種類を超えるたんぱく質が含まれていて、これを血清総タンパク(TP)といいます。主成分はアルブミンとグロブリンで、アルブミンは全体の約67%を占めています。血清総タンパクやアルブミンの値は栄養状態の目安や肝臓、腎臓などの状態を把握するのに利用されています。

血清総タンパク(TP)

基準値は6.5g~8.2g/lです。常に体内で一定の状態が保たれていますが、肝臓や腎臓などの機能に異常が生じると変動します。 低値の場合は肝機能が低下しタンパクの合成が十分にできないような肝硬変などや、消化吸収障害などが考えられます。またネフローゼ症候群などの腎臓の病気では尿中にタンパクが流れ出てしまうために低値になります。重症の感染症やがん、甲状腺機能障害などでも血中タンパクが大量に消費され低値になります。 健康な人でも偏食による栄養不足から、低タンパクになることがあります。

アルブミン(Alb)

基準値は3.7~5.5g/lです。肝臓で合成されるタンパクで、血液の浸透圧を調整するのに重要な物質です。血中のアルブミンが少なくなると、むくみや腹水の原因になります。肝硬変や劇症肝炎などでは、肝臓でつくられるアルブミンの量が減って低値となります。

血中タンパクは主にアルブミンとグロブリンで構成されているため A/G比(アルブミン/グロブリン比)で病気が診断されます。

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貧血の検査

貧血の診断には血液中の赤血球数、ヘモグロビン量、ヘマトクリットの3つの検査を行います。

赤血球数(RBC)

基準値は376~516万個/μlです。赤血球は肺で酸素を受け取って全身の細胞に送り、不要になった二酸化炭素を受け取って肺まで運んでいます。赤血球数が減ると貧血を起こします。赤血球数が増えると血液が流れにくくなったり、血管が詰まりやすくなる赤血球増多症が疑われます。 低地の原因として多いのは鉄欠乏性貧血です。食事中の鉄分の不足やダイエットによる栄養不足、内臓からの出血、関節リウマチなどが考えられます。

ヘモグロビン(Hb)

基準値は11.2~15.2g/dlです。赤血球の中にある赤い色素で、酸素と結合して全身に運ばれます。減少すると貧血になります。

ヘマトクリット(Ht)

基準値は34.3~45.2%です。ヘマトクリットは血液中に含まれる赤血球の割合を示します。赤血球の値と大きく関係してきます。

白血球数(WBC)

基準値は3500~9700/μlです。体外から侵入してきた細菌やウイルス、異物を排除するはたらきがあります。傷や炎症などがあると盛んに産生されます。白血球数が高値の場合は、けが、扁桃腺、気管支炎、肺炎、膀胱炎などの炎症性疾患が疑われます。白血病やがんなどがあるときも高くなります。低値の場合は再生不良性貧血、肝硬変、急性白血病、ウイルス感染などが疑われます。運動やストレスなどが原因で一時的に増えることがあります。

血小板

基準値は13.0万~34.9万/μlです。止血に重要なはたらきをしています。血小板の数が少なくなったりその機能が低下すると、出血しやすくなったり出血が止まりにくくなります。多すぎると、血栓が生じやすくなります。

まとめ

主な健康診断や人間ドックの項目と結果、意味をまとめました。「何かやらされたけどこんな検査だったんだ」と思った方も多いのではないでしょうか。尿検査一つ、血液検査一つにこんなに多くの意味があるんですね。年に一回の検査を受けるチャンスを何となく過ごしてしまうのは勿体ない気がしませんか?結果表と見比べてみて、是非これからの健康に役立ててみて下さいね!